毎日何気なく使っている財布。あなたは今、使っている財布をいつから使っていますか?また、新しい財布に買い替えるとき、何か特別なことをしますか?実は、その何気ない「財布の使い始め」が、私たちの金運を左右しているかもしれないのです。
先日、長年使っていた財布がついに壊れてしまい、新しい財布を購入したとき、友人から「使い始め財布」の話を聞きました。最初は半信半疑でしたが、試しにその習慣に従ってみたところ、不思議と心持ちが変わり、お金との付き合い方にも変化が生まれたのです。今日は、そんな「使い始め財布」の習慣や知恵について、深掘りしてみたいと思います。
お金の家「財布」の大切さ
日本では古くから「財布はお金の家」と考えられてきました。私たちは家に帰ると安心するように、お金も快適な「家」に帰りたいという考え方です。だからこそ、その家を新調するとき、つまり財布を買い替えるときには、特別な気持ちと作法が生まれたのでしょう。
思い返せば、私の祖母も「財布は大切に使いなさい」とよく言っていました。当時は単なる物を大切にする精神だと思っていましたが、実はもっと深い意味があったのかもしれません。財布を丁寧に扱うことは、お金への敬意を表す行為であり、その敬意がめぐりめぐって金運に影響するという考え方です。
では、その「使い始め財布」とはどのような習慣なのでしょうか。
金運を招く最高のタイミング
新しい財布を使い始めるタイミングは、実は非常に重要だと言われています。中でも特に縁起が良いとされているのが「新月の日」です。新月は「新しい始まり」の象徴とされ、これから満ちていく月のように、財布も満ちていくという願いが込められています。
ある30代の女性は、風水師のアドバイスを受けて、新月の朝に財布を新調したところ、その月から仕事の契約が急に増え、収入が1.5倍になったと言います。「もちろん偶然かもしれませんが、縁起を担いでよかった」と彼女は笑顔で話してくれました。
私自身も、先月の新月に財布を変えてみました。不思議なことに、その週はいつもより仕事の依頼が多く、普段なら断るような小さな案件も「ご縁」と思って引き受けたところ、思わぬ大きな仕事につながったのです。偶然なのか、気持ちの変化がもたらした行動の結果なのか、はっきりとは言えませんが、不思議な体験でした。
また、「午前中」に使い始めるのも良いとされています。午前中は気の流れが良いとされ、朝日のように上昇していく運気を取り込めると言われているのです。さらに、日にちとしては「6日・8日・15日」などの吉日や、六曜でいう「大安」「友引」の日を選ぶという方法もあります。
最初に入れるお金が未来を決める?
新しい財布に最初に入れるお金にも、さまざまな言い伝えがあります。最も一般的なのは「新札(ピン札)を入れる」という方法です。きれいなお金を入れることで、財布が「清らかなお金」を呼び込むという考え方です。
また、「1万円札と小銭(特に五円玉・五十円玉)を組み合わせる」という方法も人気です。1万円札は「繁栄」を象徴し、五円玉は「ご縁」を、五十円玉は「十分な富」を意味するとされています。
「新しい財布に五円玉を3枚入れたら、不思議なことに新しい取引先から連絡が来て収益がアップした」と話すのは、都内で小さな会社を経営する40代の男性です。「しかも、その取引先とは『ご縁』でつながった仕事だったんです」と笑います。
また、金額に「8」を含めるという方法もあります。「8」は「末広がり」を連想させる縁起の良い数字とされ、8,888円のように8が並ぶ金額を最初に入れるという方法もあります。
私も新しい財布に、ピン札の1万円札と、五円玉5枚、そして「末広がり」の意味を込めて8円分の小銭を入れました。この組み合わせに特別な意味があるかどうかはわかりませんが、お金を丁寧に扱おうという気持ちが自然と生まれ、以前より家計管理が上手くいくようになった気がします。
古い財布との別れ方にも作法がある
新しい財布を迎える一方で、長年使ってきた古い財布との別れ方にも作法があるのです。「財布を捨てる時は感謝してから」という考え方が基本です。使い古した財布は、塩で清めてから処分したり、「お焚き上げ」してくれる神社に持っていったりする人もいます。
また、「財布を空にしてから捨てる」というのも重要なポイントです。お金の気が残らないように、中身を完全に空にしてから処分するという考え方です。
「10年使った財布を捨てるとき、『ありがとう』と言って塩をふりかけてから処分しました」と話すのは、金運に詳しいという50代の女性です。「その後、新しい財布を使い始めたら、なぜか臨時収入があって驚きました」と言います。
私は古い財布を捨てる際、中身を全て取り出し、最後に「ありがとう」と声に出して言ってみました。なんだか少し恥ずかしい気持ちもありましたが、長年お金を守ってくれた「家」に感謝の気持ちを伝えるのは、当たり前のことかもしれないと思いました。
色や素材で変わる財布の個性
財布の色や素材にも、金運に関する言い伝えがあります。色でいえば、「茶色・黒」は堅実なお金が貯まるとされる定番の金運カラー。「赤」はお金を使うエネルギーが強まるため、商売向きと言われます。また、「黄色・ゴールド」はお金を引き寄せる色とされ、ギャンブル運がアップすると信じる人もいます。
「ずっと赤い財布を使っていましたが、『お金が出て行きやすい』と聞いて、黒に変更しました」と話すのは、貯金に励む20代の女性です。「それから不思議と無駄遣いが減って、貯金が増えました。色の影響なのか、単に意識が変わっただけなのかはわかりませんが」と笑います。
素材に関しては、「革財布」はお金が長く留まるとされ、「布財布」はお金の出入りが早いと言われています。つまり、お金を貯めたい人は革財布、お金の循環を大切にしたい人は布財布が向いているということになります。
私は今回、黒の革財布を選びました。理由は単純に長持ちしそうだからという実用性の観点からでしたが、この選択が無意識のうちに「貯めたい」という気持ちの表れだったのかもしれません。そう考えると、財布選びというのは、自分の金銭感覚の投影なのかもしれませんね。
世界の「縁起のいい財布」習慣
日本だけでなく、世界各国にも「縁起のいい財布」に関する習慣があります。中国では赤い財布が縁起良いとされ、これは邪気払いの意味があるそうです。韓国ではお札をきれいに折らずにそのまま入れる習慣があり、これはお金が「くたびれない」ようにという願いが込められています。
アメリカでは「エンプティ・ポケット・シンドローム」と呼ばれる考え方があり、「財布を空にしてはいけない」という教えがあります。これは「お金はお金を呼ぶ」という考え方に基づいているのでしょう。
イタリアでは、新年に新しい財布を贈る習慣があり、中には少額のコインを入れておくことで、その年の金運が上向くと信じられています。
このように、形は違えど「財布とお金の関係を大切にする」という考え方は、文化や国境を越えて存在しているのです。それだけ人間とお金の関係は普遍的なものなのかもしれません。
心理効果か、本当の力か
「使い始め財布」の効果は、単なる心理的なものなのでしょうか、それとも目に見えない力が働いているのでしょうか。
心理学的に見れば、「縁起をかつぐ」ことで前向きな気持ちになり、それが行動を変え、結果的に良い成果につながるという説明ができます。例えば、「金運が上がる」と信じて財布を新調すれば、お金に対する意識が高まり、無駄遣いが減ったり、収入を増やす行動をとったりする可能性が高まります。
一方で、「気」や「運気」といった目に見えない力を信じる立場からすれば、財布の使い始めの作法を守ることで、本当に金運が改善するという説明もできるでしょう。
どちらが正しいかは、個人の信念や価値観に委ねられています。ただ言えることは、「お金を大切に扱う気持ち」が、何らかの形で私たちの金銭感覚や経済状況に良い影響を与える可能性はあるということです。
私自身は、科学的な説明と精神的な側面の両方を大切にしたいと思っています。「使い始め財布」の習慣を通じて、お金との関係を見つめ直す機会が得られるのであれば、それはそれで価値のあることではないでしょうか。
実際に試してみたい「使い始め財布」の方法
これらの話を聞いて、「実際に試してみたい」と思った方のために、簡単にできる「使い始め財布」の方法をまとめてみました。
まず、タイミングを選びましょう。可能であれば新月の日、午前中、六曜でいう大安や友引の日が良いでしょう。これらが重なる日が理想的ですが、なかなか難しい場合は、最も重視したい要素(例えば新月)を優先しても良いでしょう。
次に、最初に入れるお金にこだわりましょう。新札の1万円札に、五円玉(ご縁)、さらに縁起の良い数字(8など)を意識した小銭を組み合わせるのがおすすめです。
財布の色や素材も考慮しましょう。貯蓄重視なら黒や茶色の革財布、商売や金回りの良さを重視するなら赤や明るい色の財布が良いとされています。
最後に、古い財布はきちんと感謝してから処分しましょう。中身は完全に空にし、「ありがとう」と声に出して言うとより効果的です。
これらの行為は、お金に対する意識を高める儀式とも言えます。たとえ迷信だと思っても、お金を大切にする気持ちが芽生えるかもしれません。
金運を左右するのは、結局のところ「あなた自身」
最後に強調したいのは、どんな財布を使うか、どんな方法で始めるかよりも、日々の金銭感覚や行動の方が重要だということです。「使い始め財布」の習慣は、あくまでもきっかけに過ぎません。
例えば、新月に最高級の財布を新調したとしても、浪費癖が直らなければ金運は上向きません。逆に、特別な儀式なしに普通の財布を使い始めたとしても、計画的な金銭管理を実践すれば、結果的に経済状況は改善するでしょう。
つまり、金運を左右するのは、結局のところ「あなた自身」なのです。「使い始め財布」の習慣は、その自分自身の金銭感覚を見つめ直す良い機会になるのではないでしょうか。
私は新しい財布を使い始めてから、毎朝財布を手に取るとき「今日も感謝してお金と向き合おう」と心の中で唱えるようになりました。この小さな習慣が、私のお金との関係をより健全なものに変えつつあります。あなたも、財布を買い替える機会があれば、ぜひ「使い始め財布」の習慣を試してみてはいかがでしょうか。
たかが財布、されど財布。この小さな「お金の家」が、あなたの金運を左右するかもしれません。あなたは財布を変えるとき、どんな縁起を担ぎますか?また、何か特別な体験があれば、ぜひ周りの人と共有してみてください。金運アップの秘訣は、意外と身近なところにあるのかもしれませんよ。